Letwin Survivor statics of one Miggie Olsson

サバイバーストーリー:ひとりひとりがひとつの統計(ステージ4)

著者 マギーオルソン

2020年1月15日

● 長年の腹部の違和感。膵臓がんステージ4と診断
● 化学療法、そして手術
● 術後の化学療法と放射線
● 患者さん支援

 

私は長年にわたり腹部や胃の辺りに不快感を感じていました。それは、実は膵臓がんステージ4だったのですね。

ときどきお腹のあたりに違和感というか痛みがありました。でも、ここ、と指すことも出来ず、ただ胃ではない、ということだけは何となく分かっていました。腹部膨満感、吐き気、腹痛、全身倦怠感が数日続くと消え、を繰り返していた気がします。病院にも行き、その都度色々な検査(難病全身性エリテマトーデス、過敏性腸症候群、シリアック病、胆のう疾患、ピロリ菌、酸逆流など)を受けましたが、どれも違ったわけです。そして私の不快な症状は徐々に頻繁になっていきました。

そしていよいよ腹部CT検査をしたところ、膵尾部に11cmの腫瘍が見つかりました。腫瘍はひ臓、胃の一部、左腎臓にも広がり、リンパ節種大も見うけられ、2006年4月5日、私はすい臓がん(膵腺癌)ステージ4と診断を受けました。

 

■一風変わった私の治療法 

最初に、当時ワシントン大学医療センター外科長であるシナナン外科医をたずね、腫瘍を切除出来るかどうか診てもらいました。先生はステージ4で全身に転移している可能性もあるとし、手術はしない方がよい、と判断。あまり期待はしていなかったようですが、化学療法の結果次第でということになりました。

その後私はすぐ、SCCA(シアトル癌研)のがん専門医であるワイティング医師(現サンフランシスコにあるバイオ医薬品Calitheraのがん研究室長)に会いにいきました。ワイティング先生はとても親身になってくれ、チャンスは必ずあるからと、私に希望をくれました。先生はがん研究員でもあり科学者でもあります。医学は日進月歩しているということを信じようと思いました。当時SCCAではすい臓がんの臨床試験は行われていませんでしたが、ワイティング先生は私のすい臓の腫瘍が、化学療法で手術が出来るくらい小さくなるものかどうか調べるために治験に参加させました。


抗がん剤GTX療法:ゲムシタビン+ドセタキセル+カペシタビンの組合わせ(本邦未承認)を3ヶ月投与。その結果、腫瘍は50%縮小、腫瘍マーカーCA19-9も正常な数値になっており、PET検査でもすい臓、リンパ節とも腫瘍は悪化していないことが分かりました。再び私は外科医であるシナナン医師のもとを訪れ、手術をお願いしました。しかし先生は腹部に転移していることを懸念し、まず腹腔鏡検査を実施しました。

 

■残っている癌の外科的切除

腹部への転移はみられず、2006年8月4日シナナン医師により手術をうけました。膵尾部、ひ臓、胃の一部、左腎臓、そして近くのリンパ節も一緒に切除。腹部大動脈周囲のリンパ節も取り除きたかったのだが、危険な箇所なのでそのままにしたとのことでした。先生曰く、大手術だったわけですが、術後4日目を私は自宅で迎えていたのです。シナナン先生には感謝しかありません。

その後私はワイティング医師から病理学検査の結果を知らされました。それによれば、原発部位からはわずか1mmのがん細胞があるだけに留まっているが、切除したリンパ節からがんのスポットがみつかったということで、私のがんはステージ4と進行していたので、慎重に対応したほうがよいと先生は診断し、さらなる化学療法をすることになりました。


GTX3剤併用療法(ゲムシタビン+ドセタキセル+カペシタビン)を3ヶ月投与した後、薬害耐性を避けるため、ゲムシタビン+オキサリプラチン+エルロチニブ(内服)の併用療法に変更。しかしオキサリプラチンの副作用(炎症、顔面神経麻痺など)があまりにも強く、これはわずか4サイクルのみとなりました。当時私はすい臓がんの治験に参加しており、まだその安全性、有効性、副作用が確認されていない薬も投与していました。結局ゲムシタビン単独療法を続けることになりました。

手術から1年、CTの結果、大動脈周囲のリンパ節が1cm成長していることが判明し、PET検査にてがんが陽性と診断され、私は9週間の化学療法(シスプラチン+イリノテカン)(シスプラチンは本邦未承認)に加え、放射線治療も同時に行いました(26回照射)。

治療が全て終了したとき、私は本当に疲れ果ててしまい、体力の回復が必要でした。幸いCT結果も問題なく、化学療法が再開されずよかったです。その後2年間はCT検査を続けていましたが、MRI、胸部レントゲン検査になり、2014年からはMRIもなくなり、超音波内視鏡の定期検診のみになりました。私が最後に超音波内視鏡検査をしたのが2017年7月。最後に治療した日から、Cancer-free(がんのない)の状態で続き、すでに10年が経っていました。

私の家系には色々ながんにかかった人がいるので、遺伝子変異の検査を受けるようにしています。今のところ何も問題ありませんが。特にすい臓がんに関わる新しい変異が発見されれば、積極的に遺伝子検査を受けたいとおもっています。

 

■普段の生活

膵消化酵素を補充する“パンクレリパーゼ”を服用する以外、今私は、普通の日常を過ごしています。食事に気を配り、運動を心がけ、料理、ガーデニング、そして家系図なども調べたりして。お世話になったSCCAのサービスデスクでボランティアもしています。私がそうであったように、希望をもち、そして本人が気にしているよりも、普通に見えて、普通の暮らしがまた出来るようになるのだ、ということを多くの患者さんに伝えたいからです。そして大事なことは、未来の統計を担っているのは、私たちひとりひとりであるということです。

 

 

(Source:Survivor Story-Let's Win Lustgarten Foundation)

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<免責事項>この医療記事は、サバイバーの経験を紹介する目的で書かれています。特定の治療法や薬の使用を推奨するものではありません。ご自身の病状については、担当医とよく話し合ってください。このウェブサイトの情報を利用して生じた結果についてPanCANJapanは一切責任を負うことができませんのでご了承ください。

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